WEBマーケティング整骨院・接骨院・整体院のホームページづくりで、多くの院長先生が悩まれるのが「どこまで書いてよいのか」という点です。症状名を並べたい、施術の効果を伝えたい、患者さまの声を載せたい。集客のためには情報を出したい一方で、柔道整復には法律による広告の制限があります。
この記事では、厚生労働省が公表している柔道整復師法や「あはき・柔整広告ガイドライン」の内容をもとに、ルールを守りながら選ばれるホームページをつくる考え方を整理します。なお、個別の表現が適切かどうかの最終判断は、管轄の保健所など自治体の窓口にご確認ください。
柔道整復の広告は「書いてよいこと」が決まっている
一般的な業種の広告は、「書いてはいけないこと」が決まっていて、それ以外は比較的自由です。ところが柔道整復は逆で、法律で認められた事項以外は広告してはならないという仕組みになっています。
柔道整復師法第24条の内容
柔道整復師法第24条では、柔道整復の業務または施術所について、何人も、次に掲げる事項以外は広告をしてはならないと定めています。
- 柔道整復師である旨、氏名、住所
- 施術所の名称、電話番号、所在の場所
- 施術日または施術時間
- その他厚生労働大臣が指定する事項
さらに同条第2項では、これらを広告する場合でも、柔道整復師の技能、施術方法、経歴に関する事項にわたってはならないとされています。「〇〇大会のトレーナー経験あり」「独自の〇〇矯正」といった表現が広告で問題になりやすいのはこのためです。
厚生労働大臣が指定する事項(告示)
「その他厚生労働大臣が指定する事項」は、平成11年厚生省告示第70号で定められています。具体的には次の7つです。
- ほねつぎ(または接骨)
- 柔道整復師法第19条第1項前段の規定による届出をした旨
- 医療保険療養費支給申請ができる旨(脱臼または骨折の患部の施術に係る申請については、医師の同意が必要な旨を明示する場合に限る)
- 予約に基づく施術の実施
- 休日または夜間における施術の実施
- 出張による施術の実施
- 駐車設備に関する事項
看板やチラシ、ポスティング、検索連動型広告などは、この範囲で作ることが基本になります。
わかりやすい言い換えは認められている
ガイドラインでは、広告可能な事項について、利用者の理解を助けるためにわかりやすい表現を使ったり説明を加えたりすることは望ましいとされています。たとえば「医療保険療養費支給申請ができる旨」は、「医療保険により利用者は施術費用の一部負担で施術を受けることができます」と言い換えることが可能という例が示されています。また、柔道整復師である旨とあわせて「国家資格保有」と表記することも可能とされています。制限の中でも、伝え方の工夫の余地はあるということです。

ホームページは「広告」にあたるのか
では、院のホームページはどう扱われるのでしょうか。厚生労働省の「あはき・柔整広告ガイドライン」(概要資料は令和7年2月18日付)では、広告に該当するかどうかを誘引性・特定性・認知性の3つの要件で判断するとしています。
原則としてウェブサイトは広告とみなさない
ガイドラインでは、施術所のウェブサイトは、情報を得たい人が自らURLを入力したり検索したりして閲覧するものであるため「認知性」を満たさないとして、引き続き原則として広告とは見なさないと整理されています。
ただし、これは「ホームページなら何を書いても自由」という意味ではありません。ガイドラインは同時に、インターネットでの情報発信が一般的になっている現状を踏まえ、ウェブサイトの内容の適切な在り方についても定め、関係団体等の自主的な取り組みを促しています。
広告として扱われるウェブ上の表示
一方で、次のようなものは、3つの要件を満たせば広告として扱うと例示されています。
- 検索サイトで検索した際にスポンサーとして表示されるもの(検索連動型広告など)
- 検索サイトの運営会社等に費用を支払い、意図的に検索結果の上位に表示させたもの
- バナー広告やSNSでの書き込み等で、要件を満たすもの
また、「これは広告ではありません」と書き添えたり、紹介サイトや口コミサイトの体裁をとったりしても、実質的に要件を満たせば広告として扱うとされています。リスティング広告やSNS広告の文面、リンク先のページは、広告規制の範囲内で作るのが安全です。
違反した場合のリスク
広告の制限に違反した場合について、たとえば大阪市の案内ページでは、広告違反は業務に関する不正の行為に該当するとして、一定期間の業務停止や免許取消が命じられることがあると説明されています。また、ガイドラインの概要資料では、都道府県等による指導の流れや、悪質な場合の刑事告発についても触れられています。「知らなかった」では済まないため、ホームページや広告の制作を外部に依頼する場合も、最終的な掲載内容は院として確認する体制をつくっておくことが大切です。広告代理店やインフルエンサーなど、施術者以外の「何人も」規制の対象になる点も、ガイドラインで明記されています。
ホームページに載せるべきこと・載せるべきでないこと
ガイドラインでは、ウェブサイトに掲載すべき事項と、掲載すべきでない事項が示されています。
掲載すべきとされている事項
- 表示される情報の内容についての問い合わせ先
- 自費の施術に係る施術内容、通常必要とされる費用等
- 回数券やプリペイドカード等を販売する場合は、その商品内容や契約内容
- 自費の施術に係る主なリスク、副作用等
特に料金とリスクの明示は、患者さまの安心にも直結します。「料金がわかりやすい院」は、それだけで選ばれる理由になります。
掲載すべきでないとされている事項
- 虚偽、または客観的事実であることを証明できないもの(例:「絶対に治る」「絶対安全」、加工・修正した施術前後の写真)
- 他との比較等により自らの優良性を示そうとするもの(例:「口コミサイトで1位」「〇〇にも掲載」)
- 誇大な内容、施術所に都合のよい情報の過度な強調
- 早急な受療を過度にあおる表現、費用の過度な強調
- 科学的根拠が乏しい情報で不安を過度にあおり、受療を不当に誘導するもの
院名・名称にも注意
ガイドラインでは施術所の名称についても例が示されています。たとえば「クリニック」「メディカル」など医療機関と誤解されるおそれのある名称や、「交通事故専門」のように対象者を限定する名称、施術内容や効能を含む名称は、広告不可能な名称の例として挙げられています。ドメイン名についても、「katakorinaoru」のような効果を暗示するURLが、暗示的な広告表現の例として挙げられている点は覚えておきたいところです。
整体院(無資格の施術)の場合
国家資格を必要としない整体・リラクゼーションなどについても、ガイドラインは無資格者の行為に関する広告の在り方を定めています。身体症状や疾病に効果があると受け取られる表現や、国家資格が必要な業を行っていると誤認させる表現は避けるべきとされています。整体院だから自由に書いてよい、というわけではない点に注意しましょう。

ルールの範囲で「選ばれる」ホームページにする工夫
制限があるからこそ、事実を丁寧に、わかりやすく伝える院が選ばれます。具体的には次のような工夫が考えられます。
来院前の不安を減らす情報を充実させる
- 施術時間・休診日・祝日の対応を、スマートフォンで一目でわかるように表示する
- アクセスと駐車場(台数、場所、提携駐車場の有無など)を写真付きで案内する
- 予約の方法(電話・Web予約)と、予約なしでも来院できるかを明記する
- 自費メニューの料金と所要時間、主なリスクを一覧にする
- 初めての方向けに、受付から会計までの流れを説明する
院の雰囲気は写真で正直に伝える
院内の様子、受付、施術スペース、スタッフの写真は、初めての方の安心材料になります。ただし、加工した施術前後の写真は掲載すべきでない事項に挙げられています。ありのままの院内写真を、明るく丁寧に撮影して掲載するのがおすすめです。
広告とホームページの役割を分ける
リスティング広告やチラシは、法律で認められた事項に絞ったシンプルな内容で作り、詳しい情報はホームページで適切に伝える。このように役割を分けて設計すると、ルールを守りながら必要な情報を届けやすくなります。
まとめ:正確な情報提供こそが、いちばんの集客策
柔道整復の広告は、法律と告示で書いてよい事項が限定されています。ホームページは原則として広告とは見なされないものの、ガイドラインでは掲載すべき事項・すべきでない事項が示されており、検索連動型広告などは広告として扱われます。
「誇大な表現で目立つ」よりも、「正確で分かりやすい情報で安心してもらう」。この考え方でホームページを設計すれば、ルールを守りながら、地域の方に選ばれる院づくりにつながります。現在のホームページや広告の表現に不安がある場合は、一度全体を見直してみてください。
WEBeffectでは、整骨院・接骨院・整体院のホームページ制作やリニューアル、掲載情報の整理のご相談を承っています。公開されている公式情報をもとに、構成や見せ方を一緒に考えます(法令解釈の最終確認は、管轄の自治体窓口へのご確認をおすすめしています)。初回のご相談と概算のお見積りは無料です。お気軽にお問い合わせください。
